ゴム風船のお話

ゴム風船の歴史

現在のようなラテックス製ゴム風船が誕生したのは約70年ほど前のこと。
米国のある科学者がラテックス(液状天然ゴム)を原料にゴム管を試作している時に、気まぐれにボール紙を猫の形に切り抜いてラテックスにつけこんでみました。
それが乾いた時できあがったのがちゃんと耳のついたゴム風船だったというわけです。
これをたくさんつくってボストンの愛国記念日に売ったという記録が残っています。
科学者を商売人にしてしまうほど、ゴム風船は魅力的な発明だったというわけですね。
それ以前のゴム風船は生ゴムの固まりをガソリンで溶かし、塩化硫黄で加硫して作り上げるものでした。慶応4年には、すでに日本に入ってきていたそうです。

ゴム風船の原料は天然物質です

ゴム風船はゴムの木から産出する乳状の樹液でつくられています。
ゴムの木はもともと南アメリカの熱帯雨林が原産で、現在では熱帯地域の多くの国々で育成されています。ゴムの木の樹皮につけられたカップに集めたものが「ラテックス=天然ゴム」です。

土から生まれて土に返る風船

ゴム風船の原料「ラテックス」は、日光や水によって分解される100%自然の原料。
分解作用は空気に触れたとたんにはじまり、酸化による変色がその最初の兆候です。
太陽光線にさらされると分解がはじまりますが、自然界の微生物は暗闇の中でもラテックスを分解します。土から生まれて、土にかえるゴム風船。
ラテックス製品は、人間が産みだした製品の中でも実にまれな、自然環境にやさしい製品なのです。

熱帯雨林の保護につながります

地球上のもろい生態バランスを維持するために「熱帯雨林の保護」が叫ばれていますが、ゴムの木は熱帯雨林を形成する主要な植物のひとつ。
ラテックスは樹皮から直接採取するため、ゴムの木を伐採することはありません。
つまり、ゴム風船や手術用の手袋などの製品が多く使われれば、ゴムの木の経済価値が上がって、むやみに伐採されることも少なくなるのです。
ゴムの木は、現代人と大自然とがうまく共存できることを示す好例。あなたがゴム風船を手にした時、そのもととなるゴムの木が地球の大気を維持し、生態系を保護していることを思い出してください。

どうなるの?空に飛んでいった風船

風船飛ばしはもちろん、ついうっかり飛ばしてしまったゴム風船のゆくえ、気になりますね。こうしたゴム風船のほとんどは、上空約8キロまで上昇していきます。風船は高空で凍結し、スパゲティ状になって粉々に分裂して、拡散しながら地上に落ちてくるということがわかっています。私たちがゴム風船が落ちているところを滅多に見たことがないわけも、これでわかりますね。実際、世界各地で行われているビーチクリンナップ運動の報告でも、回収されるゴミのワーストグループに、ゴム風船の名があがったという例はありません。

海洋生物に害があるって本当?

「風船の害によって死んでいく海洋動物」?・・・それって事実なのでしょうか?
バルーン業界関係者と報告者による広範な調査の結果、こうした例が事実として確認されたことはこれまでに1件もありません。アメリカの魚類・野生動物期間のキャシー・ベックさんは、8年の間に死んだセイウチ439頭の調査をしましたが、どのセイウチの体内からもゴム風船は1個も見つかりませんでした。ウミガメのお腹からゴム風船が出てきたという事例についてさえも、死因とは断定できないものでした。学術的根拠のない情報でゴム風船は一時誤解を受けましたが、近年は「動物に害はない」という常識がようやく浸透してきたようです。

※日本バルーン協会“バルーンストーリー”より
  
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